肝臓病の治療栄養の歴史
第2次世界大戦前
我が国における肝疾患の食事治療は Eppinger の高糖質・低たんぱく質・低脂肪食、すなわち肝庇護療法が主流でした。
戦後(1940年代)
コロンビア大学の Patek らによって栄養障害を伴うアルコ−ル性肝硬変例に対して、高エネルギー、高たんぱく、高ビタミン食による画期的な治療成績が発表されました。 このことが我が国にも取り入れられ、一転して肝疾患治療食の基本となり、まだ日本人の多くが低栄養であった上に厳しい肉体労働に従事していたことを考えれば、安静とこのような治療食が効果を上げたことがうかがえます。
1970年代
食生活の欧米化が急速に進み、運動量が減少して肥満者が増加しはじめ、過剰なエネルギー摂取に基づく肥満が肝機能障害の改善の妨げになることが指摘されるようになり、やがて単なる高たんぱく質・高エネルギー食がら脱皮することとなりました。(バランス食を規則正しく適正量摂ることの大切さが見直される)
1980年代
肝疾患に対する栄養療法は大きく前進し、特にアミノ酸バランスの概念から分岐鎖アミノ酸(BCAA)製剤が開発され、肝性脳症に対する輸液(アミノレバン®、モリヘパミン®)の登場に加えて、肝不全用経口栄養剤(アミノレバンEN®、へパンED®)も開発され、特に非代償肝硬変患者に対するQOLの工場のみならず予後の改善にも貢献してきました。
1996年以降
食事が十分摂取できるにもかかわらず低アルブミン血症を呈している肝硬変患者に対して、BCAAのみの経口用顆粒製剤(リーバクト顆粒®)も登場し、肝疾患に対する治療栄養はアミノ酸や脂肪酸についても栄養素の質や比率の問題にも踏み込んで肝の病態生理をふまえたうえで積極的に補充する方向へと進んで、今日に至っています。
また最近では肝硬変に特殊的栄養異常は蛋白・エネルギー低栄養状態(protein-energy malnutrition : PEM)であるとされ、その改善を目的に、分割食や就寝前にエネルギー源を補給する“Late evening snack : LES”(夜食)が見直されてきています。
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